KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年12月号
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東京・上野の森美術館で、3週間で10万人の来場者を記録した「ゴッホ展」が、2020年1月に兵庫県立美術館にやってくる。本展は東京、神戸のみの開催となる。今回の展覧会は、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853︲1890)が「芸術家たちから受けた影響」をテーマに、オランダ・ハーグでの時代と、パリで印象派に出会った時代とを分けて紹介する。27歳で独学で絵を学び始めたゴッホは、ミレーに憧れ、農民画家を目指す中で、農村の人々や自然を描く「ハーグ派」の画家たちに習う。その集大成ともいわれる作品が、1885年に描かれた『ジャガイモを食べる人々』。ゴッホはこの油彩画を描き終えた後、家族や知人に配るために同様のリトグラフ(版画)を制作するが、自身で油彩作品を思い出しながら版にそのまま描きこんだため、本来の作品とイメージが逆になっている。本展ではこのリトグラフの一枚を展示。これまであまり焦点を当てられることのなかったハーグ派時代のゴッホの作品と、彼にフィンセント・ファン・ゴッホ《ジャガイモを食べる人々》1885年4-5月リトグラフ(インク・紙)26.4×32.1cmハーグ美術館 © Kunstmuseum Den Haag 23

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