KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年12月号
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連載 カワムラの"神戸ビーフ"への思いビフテキのカワムラ 三宮本店神戸市中央区加納町4-5-13ヌーバスピリット1階TEL:078-335-0399FAX:078-335-0605傷ついた神戸に恩返しを三宮店、神戸本店のオープン!2003年にオープンした三宮店は生田新道と生田筋の交差点、東急ハンズ斜め向かいのビルの最上階という好ロケーション。大きな窓からネオンの赤い灯青い灯揺れる繁華街の夜景を見下ろし、ロマンチックなムードと極上のビフテキで瞬く間に神戸っ子のハートを虜にした。また、神戸ビーフを求めやって来る観光客も多かった。活気に満ちた店の様子に、創業者の川村春二は胸を熱くした。1995年の阪神・淡路大震災で神戸は多くの命と賑わいを失った。カワムラもまた一部店舗が被災し、特に西宮店は長らく水道が使えず神戸本店から水をトラックで運ぶなど苦労しながら店を守ってきた。カワムラは神戸の至宝、神戸ビーフにより名声を高めてきたからこそ、傷ついた神戸に恩返しをしたい。そんな思いも抱いての三宮進出。微力ながらこの店が街の元気を取り戻す一助になるかもしれない…春二は神戸のためにもと額に汗して働いた。一方で問題も浮上する。とにかく想定以上の来客があるが、席数が30数席とキャパがないため混雑して待ち時間も長い。オーダーが途切れずスタッフは朝から晩まで休憩もままならぬほど忙しく疲労困憊。さらに個室がないため接待向け需要に応えきれていない。三宮進出早々にして沸騰した人気に対応しきれなくなってきたのだ。すると春二はすぐ動き、三宮界隈で物件を探す。すると縁あって駅近の一等地、道路に面した1階、しかもフロアまるまる自由に設計OKの好条件でオファーが。ここに重厚で秘密の隠れ家のような空間をプランニングし、2室繋げれば20名まで貸切可能な個室と約60席という十分なキャパを備えた店を創った。こうして2006年、三宮本店は待望のデビューを果たす。 Vol. 0412

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