KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年11月号
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で最後の海外旅行、最後ではないかな(笑)。弘子 それからすぐに長女が生まれ、長男、次男と家族が増え、旅行といえば、夕方家を出て、有馬温泉や淡路島へ走り、翌朝一番に帰ってくる。そんな弾丸ツアーばかり(笑)。優 職場と家庭が同じ場所ですから、家にいるとゆっくりできないので出かけるのですが、仕事のことがやはり気になって。何かあったらすぐに帰って来られるところばかりです。22年間、たった一つだけ忘れられないのは〝桃事件〟―一般的な勤め人とは違う家にお嫁に行くことに不安はなかったのですか。弘子 出会ったころは主人の仕事のことを一切聞くこともなく、何も考えていませんでした。両親は心配していたのですが、彼に会って話をしているうちにその人柄を知って安心したようです。―新婚旅行から帰って来てすぐ、忙しい日常が始まったのですね。優 平成9年、震災の2年後でしたので、被害を受けた本殿や鳥居、社務所、住居の一部も建て替えをする時期で、全てが完成し、復興行事が終わるまでずっとバタバタしている上に、JCの役も務めたりして…。次男が中学に入ったころからちょっと余裕が持てるようになり、このごろやっと落ち着いたと思えるようになりました。―慣れない環境で子育てや家事、大変だなと思ったことは。弘子 初めは土日が休みだったらいいのにと思ったこともありましたが、考えようによっては、混んでいない平日にいろんな所へ出かけられていいかなと。生まれた時からこの環境にいる子どもたちのほうが私よりずっと慣れていて、夏休みにどこかへ連れて行ってなどとせがむこともなく、忙しい時期には早く帰って来て助けてくれています。主人も用事を頼むと、嫌な顔もせず出来るだけのことをやってくれますし…。優 家族それぞれがマイペースで淡々と過ごしているという感じです。―まるで赤い糸で結ばれたようなお二人ですね。けんかをすることはないのですか。弘子 些細なことでけんかをしても忘れてしまいます。あ、一回52

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