KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年11月号
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小学生時代は、我ながら腕白でした。宿題は放課後にすませるので教科書は持ち帰らず、家で勉強した記憶はありません。案の定、成績は悪かったのですが、喧嘩や運動、ベーゴマやベッタンといった遊びの類は意地で、誰にも負けませんでした。ともかく、放課後、夕暮れまでの時間を、いかに仲間と面白おかしく過ごせるかが全てでした。今日は野球、明日は魚釣り、釣った魚は学校のプールに放して育てようか……自分達次第で、毎日はいくらでもワクワクと、スリリングになりました。そんな少年期を過ごしたからでしょう、空地の遊び場も少なく、習い事で忙しい今どきの小学生を見ると気の毒に思います。人との付き合い方、自然との付き合い方、そして自分自身との付き合い方。子供時代、身体で学ぶしかない、“生きる力”を身につける建築家 安藤 忠雄by 閑野欣次兵庫県のANDO建築探訪 ⑪兵庫県立こどもの館兵庫県姫路市 1989年完成18

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