KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年10月号
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キュレーションは一種の演劇的行為のような気がします。キュレーターはその時演出家になります。ですからキュレーションは物語を語ることかも知れません。今回は物語のない物語を私のキュレーションで行えないかと思いました。私は演出家であると同時に鑑賞者でもあります。私のキュレーションは美術館のキュレーターを私が指名することだったのです。人のふんどしで相撲を取ってみたいと考えました。ですから、相撲の取り方には口出しはしないつもりです。―あなたにとって、展覧会とはどういうものですか?私のパンドラの函のふたを開けることです。―機会があれば、またキュレーションをしてみたいですか?その時にならないとわかりません。―あなたにとって、「横尾忠則現代美術館」とはどういう存在ですか?母の子宮であり墓場です。作品は生と死の錬金術です。―最後に、来場者へのメッセージをお願いします胸襟を開いて作品に接し、作品と対話して下さい。「横尾忠則 自我自損展」カタログより転載《Angel with Space Ships》1986年頃 横尾忠則現代美術館蔵《2: 1》2000年頃 作家蔵42

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