を超える富野監督の作品について、可能な限りそのすべてを取り上げつつ、さらにそれぞれの特徴や見所などを示す。しかも展覧会という形式で。これは大きなチャレンジです。なぜなら、作品の完成形であるアニメは、鑑賞のために一定の時間がどうしても必要だからです。家や劇場でゆっくり寛ぎながら見たいところですが、展覧会という場では、会場を移動しながら作品や資料をみていくという形式をとらざるを得ません。さらに、富野監督は自分自身で完成作品の素材として用いられる「絵」を描くことはないので、「もの」を通じて監督の仕事を示すことも簡単にはいかないのです。例えば、クラシック音楽における指揮者は楽器を演奏しません。しかし、楽器の演奏者を指揮することで、演奏全体を自身の作品として表現することができます。アニメの監督も同様に、数多くの才能あふれるスタッフとの協働によって、自らの作品世界を作り上げていきます。これが「チャレンジ」と書いたふたつ目の、そして最大の理由です。『ガンダム Gのレコンギスタ』©創通・サンライズ富野由悠季 宇宙船 1954年 ©オフィス アイ34
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