KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年10月号
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―アメリカでの経験が考え方の根底にあるのですか。美術館へ家族そろって出かけるのはもちろんですが、学校から行きますからね。日本では美術の校外学習としてしか行きませんが、アメリカでは歴史の授業の一環として、例えばアフリカやアジアの美術、古代ローマの美術など、物を見ながらそれぞれの国の歴史や文化を勉強します。日本のように教えられることを丸暗記するより、ずっと分かりやすい。これが「education」、つまりヒントを与えるということ。美術館はヒントを与える場所であり、自分なりの答えを導き出すのは子どもたち自身です。日本でいう「教育」は一つの決まった答えを教えることをいいます。そもそも出発点が違うことが問題です。―子どものころから美術館に親しめたらいいですね。自分の子どもを美術館に連れて行く親の100%が、子どものころに親に連れられて美術©JIRO FUJIWARA28

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