KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年9月号
25/47

140万人でした。大阪や京都では混雑がひどく、市民生活への支障も出ています。神戸では、市民生活と観光振興が共存できる形があるべき姿で、過度な混雑は避けなければなりません。現在は大多数がアジアの方ですが、ラグビーワールドカップでは欧米豪からの方に向けたPR動画を作成し、ターゲットを絞って発信しています。―MICE誘致についてはどうお考えですか。神戸の強みはMICE。しかし、安穏としてはいられない―「ビジット・ジャパン」は今や4千万人に達しようとしています。どうご覧になっておられますか。国の施策がうまく回ったと思いますね。前段として2000年初頭から、各国が中国人へのビザ解禁を本格化して以来、中国人旅行者への海外への門戸が開かれました。以降、日本も中国をはじめ、アジア各国に対するビザ発給要件を段階的に緩和し、インバウンドを堅調に伸ばしてきました。ちょうどアジアの経済成長やLCCの成長もマッチしたことが功を奏したのではないかと考えます。―京都・大阪はオーバーインバウンドといわれていますが、神戸については。昨年のインバウンドは国全体で3100万人、大阪・京都が1900万人、神戸へは昨年発表の国際会議開催件数で、神戸は国内第2位となりました。神戸にはコンベンション会場とホテルが同地域にあるという強みがあります。しかし、2020東京オリンピック・パラリンピックに向けた東京ビッグサイトの拡充やパシフィコ横浜の規模拡大等、他都市では施設整備の動きが活発化しています。一方、神戸は施設も老朽化しており、安穏としてはいられません。施設の再整備、空港の活性化や二次交通の課題など、官民一体での議論が必要です。―3空港一体運営は今後の強みですね。神戸空港の受け入れのキャパシティが増えたことは確かですが、羽田空港は既に2020年に向けて拡張工事に入っていますし、成田空港も拡張計画案があります。関西3空港も早急に対策を取らなくては、神戸というより関西に外国から人が来なくなってしまいます。直接関西に入って来て西日本一帯へ27

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る