KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年8月号
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…神戸の洋服文化の第一人者として知られる「ブティックセリザワ」。その“お嬢様”として育った麿衣さんは、どんなファッショナブルな幼少期を過ごされたのか、読者の方も興味津々ではないでしょうか。私が小さい頃はファッション都市神戸ならではの活気が街にあふれていました。外国文化に日常的に触れることができると、インポートファッションを扱っていた当店や輸入雑貨のお店に大阪や東京からわざわざ来られるお客様が大勢いらっしゃいました。私は幼い頃から父や祖父のフランス出張のたびにソニアリキエルやキャシャレルなど、インポートのお洋服を買ってもらい着ていました。服育として質のいい服、自分を美しく魅せる服を着る経験を積み重ねられたことには感謝しています。遊んで汚すから子どもは安いものでいいではなく、五感がとぎすまされた幼い時だからこそ、いいものを肌で覚える。着こなしの稼働域、モノサシを伸ばすために、子ども時代の洋服は大きなポイントになると思いますね。…柔軟な子ども時代に正しいファッションの基本をカタチづくってこられたというわけですね。自らのブランド「MonStork」を立ち上げたのは、ママになられたことがきっかけとか?結婚して長女を出産すると、日々「ママの顔」しかしていないことが残念で仕方がなかったんですね。女性としてもお洒落を楽しみたいのに、動きやすさ重視のカジュアルな服しかなかったんです。「ないなら自分で作ってみよう」。例えば、赤ちゃんはミルクがほしいときは即、対応してあげないといけませんから、ボタンを使わず、胸元にジップをつけようとか。そういう具合に自分の体験を活かして、おしゃれなデザインでも子育てしやすい服を作ってみたんです。するとママ友から「私もほしい!」とたく47

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