KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年8月号
39/49

を図り続けることで、世界に通用する観光地に一歩ずつ近づくかと考えます。また、そのためには淡路島にある観光素材、コンテンツを開発し、レベルを上げていくことが重要です。︱淡路島には、たくさんの観光素材がありますが、具体的には。一言でいえば「食と景観」です。食の歴史でいえば、御食国(みけつくに)といわれて久しいわけですが、淡路島から朝廷に食材を献上する“供給”の歴史でありました。その後も神戸、大阪、東京に淡路の美味しいものが届けられるというように。今後はそれらの地産食材をもっと淡路島にておいしく楽しんでいただくようにしたいと考えます。そのためには生産者、流通、調理、サービスが一体となって、よりよい食の価値創造を島全体で取り組むことが求められます。景観においては、風景の再構築です。島にある山、田畑、海は、かつては人々がそこを仕事の場としていたので整備されていましたが、今では残念ながら手つかずになっているところがありますから、これからは観光という視点で山、田畑、海を美しく保っていくことが重要です。島全体としてより戦略的な観光開発を行うために、観光協会では、島内の3市と兵庫県から職員を派遣していただき、県と島が一体となって戦略を立てていこうとしています。淡路島全体を回遊していただく仕掛けとしては、淡路島を自転車で一周する「アワイチ」が人気を集めており、リピーターの方も多くおられますから、なにか別の観光素材ともマッチングさせて淡路の魅力をより感じていただけるようになればと思います。人の力も集まって︱課題はありますか。淡路島を訪れる海外からのお客様が少ない理由のひとつに、アクセスの弱さが挙げられます。私どものグループの中で、四国にある旅館を例にとると、海外の方はJRがインバウンド向けに発行するJRパスを活用して電車で来られたり、レンタカーで来られたりしています。淡路島にはJRの鉄道はありませ淡路島を1周するロングライド、愛称「アワイチ」2018年にオープンした「湊小宿 海と薫と AWAJISHIMA」(南あわじ市)41

元のページ  ../index.html#39

このブックを見る