KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年8月号
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わせてつくられた木の文化の紹介施設です。敷地は《木の殿堂》の名に相応しく、鬱蒼とした森に囲まれた場所にありました。その深遠な木々の風景を損なうことなく、その中に埋没するような建築にしようと、出来る限り単純な造形を心掛けました。代わりに施設を貫いて背後の森へと一直線に伸びていく通路をギリギリいっぱい引き延ばしています。森の中の施設を訪れる、その空間体験全体を通じて、人間生活と関わる“木”の存在を感じられる場所になればと考えていました。直径46メートルの円形平面の建物の中心は、ぽっかりと空に抜けた“無”の空間です。その空洞を抜けて、木々に挟まれた通路を奥へと進むと四周を見晴らす展望台に行き当たります。ここから望む、のどかで美しい里山の風景が、《木の殿堂》のクライマックスです。■兵庫県 木の殿堂兵庫県美方郡香美町村岡区和池951山陽道姫路中国道山陰近畿自動車道播但連絡道路第2神明北近畿豊岡自動車道兵庫県木の殿堂   ■17

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