KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年8月号
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1992年、スペイン・セビリアで開催された万国博覧会の日本館を設計しました。“国際化時代における日本のアイデンティティー”を紹介する、テーマは“生成りの文化”でした。この伝統美学に応えようと、世界最大級の木造パビリオンを設計しました。木造といっても、最先端の建設技術を駆使した構造で、造形作法も日本の伝統様式にはこだわりませんでした。重要なのは日本ならではの、自然をあるがまま愛でる感性、それを形ではなく、素材や組み物の捉え方、精神性の部分で表現しようと考えたからです。この日本館のコンセプトを、仮設ではなく恒久的な施設として実現したのが、《兵庫県 木の殿堂》でした。セビリア万博から2年後の1994年、兵庫県の但馬で開催された全国植樹祭にあ建築家 安藤 忠雄by 閑野欣次兵庫県のANDO建築探訪 ⑧兵庫県 木の殿堂兵庫県美方郡 1994年完成16

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