KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年7月号
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レッジ」は僕が駆け出しのころからやっていて100回を超えています。いろいろ思い入れのある街に紆余曲折を経て定席寄席ができたのは嬉しかったですね。しかも神戸の中でも、かつて娯楽の中心だった新開地に喜楽館ができたのはおもしろいと思うんですけど、今の若い人は知りませんから、どうアピールしていくかですね。僕たち落語家は愚直に一生懸命、落語をやるだけです。思い立ったらすぐ行けてライブを見られる、それが寄席のいいところです。一度来て落語を聞いていただいて、認識してもらえるように、これからも頑張るしかないですね。「寝床」などと、学生のころ笑いを取れた自信の演目を答えて、褒められると思ったら、師匠は「全部忘れなさい。自分がこれから教えることをきっちりやりなさい」と。高い建物を建てるとき地面を掘って始める基礎工事が大切なのと同じように、もう一度掘り返して、落語の基礎を僕に叩き込んでくれたのだと思います。その上に建てるからこそ、今の自分なりの落語ができているのだと思っています。当時の日記を見たら、愚痴がいっぱいですけどね(笑)。落語を身近に感じてほしい―基礎から教えられた古典落語をずっと続けておられますが、その魅力は。吉弥古典とはいえ落語は歴史の中で、話す人も聞くお客さんも変わってきています。お芝居よりもなお生々しく、それぞれの時代の人が、どうしたら面白さを伝えられるか悩んで工夫してきました。頑なに変わらない部分もあれば、微妙に変わってきている部分もある。やっている僕自身が感動するところです。古典落語の中で繰り広げられているドラマや心の動きは、落語を聞いて家に帰ったお客さんが、家庭でも同じように感じるところがあると思うんです。それが喜んでもらえる理由ではないでしょうか。―吉弥さんはテレビでもよくお見かけしますが、そこは吉朝師匠とちょっと違う?吉弥師匠も芝居をしたり、テレビに出たりしていましたよ。でも頑固な人でしたから、何でもいいというわけではなかったですね。僕はテレビっ子世代ですから、出してもらえるのなら嬉しいし、皆さんに顔を覚えてもらって落語を身近に感じてもらえるのなら、宣伝活動にもなると思っています。―喜楽館はオープンから1年がたちましたね。吉弥神戸は学生時代を過ごした街ですし、「神戸らくごビ神戸新開地・喜楽館(新開地まちづくりNPO)TEL.078-576-1218新開地駅下車徒歩約2分(新開地商店街本通りアーケード)神鉄湊川地下鉄湊川公園新開地湊川トンネル湊川トンネル湊川公園湊川商店街湊川商店街湊川商店街湊川商店街新開地商店街新開地商店街新開地商店街新開地商店街新開地商店街新開地商店街新開地商店街新開地商店街喜楽館多聞通多聞通多聞通山手幹線山手幹線山手幹線山手幹線山手幹線47

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