KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年7月号
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努力してある程度のレベルに達したら、新しい発見がある―文枝さんといえば創作落語ですが、その魅力は。文枝分かりやすいということですね。古典も初めは創作だったわけですが、いつの間にか落語の型を作ってしまい、そこからはみ出すことができなくなった帰来があります。笑わせるものではなくて格調高いものとしてきた時代がありましたが、落語は楽しんで、笑ってもらう笑芸です。本来、市井のものですから皆さんの生活の中から作らなければいけない、下ネタや汚い言葉は使わない、人を誹謗中傷することは言わない。それをモットーに創作落語を作ってきました。時代に合うだけでなく、時代を越えて10年、20年、100年続く落語を作りたいと考えてきましたので、今、多数の落語家が取り上げてくれているのは嬉しいことです。それはいいのですが、どこへ行っても演目を見ると、誰かがやってくれるので私自身がやる演目が無い。ちょっと困っています(笑)。次々作らないと…今で293作、年齢的に厳しくなってきましたが300作目指して日々、努力をしなくては。―いろいろなことにチャレンジしておられますね。文枝私自身が同じことはやりたくないということもありますが、若い人たちの刺激になればいいと思っています。型にはまってしまわずに、どんなことでも落語になるということを若い人たちには分かってもらいたいですね。40

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