KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年7月号
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神戸新開地・喜楽館一周年記念 特別インタビュー神戸に寄席を定着させてほしい―そして、喜楽館オープンにご尽力いただいたのですね。文枝震災が起き、神戸を離れて行く人も多く、ハーバーランドにつくった海岸通り劇場もなくなり、神戸のために何かできないかなと考えていたとき、神戸新開地のお寿司さんから一通のはがきが届きました。それまでは知らなかったのですが「東の浅草、西の新開地」といわれ、チャップリンが来た街だと聞きました。映画と落語、世界は違ってもチャップリンの笑いの凄さに憧れていましたので、ぜひ新開地で何かやりたいと思いました。実際に行ってみると商店街にあまり元気がない。もう一度、活性化しようと頑張っておられる高四代さんにお会いしました。四代さんと私が六代文枝、県や市、地元商店街が力を合わせてオープンした喜楽館―文枝さんと神戸との関りは。文枝落語の世界に入ってすぐのころ、ラジオ関西で番組を持たせていただき、サンテレビでは「上方落語大全集」という番組をやらせていただきました。この時期にほとんどの古典落語を聞き、勉強したように思います。番組収録が終わったら三宮の中華料理屋さんへしょっちゅう行っていました。当時、神戸では柳笑亭や凮月堂ホール、よしもとや松竹の寄席、松鶴師匠の落語会などにも出させていただいていましたので、思い出はたくさんあります。合わせて十代。すごいご縁やなあと…。―大阪に繁昌亭、神戸には喜楽館と二つの上方落語の寄席が揃いましたね。文枝繁昌亭とはひと味違う素晴らしい寄席を作っていただきました。若手落語家の発表の場にもなり、有り難いことだと思っています。繁昌亭とはオープンまでの経緯が全く違って、喜楽館は兵庫県、神戸市の協力もいただき、商店街の皆さんも一緒になって開館しました。造りも全く違い、繁昌亭は天満宮のすぐ北側にありますから寄席らしい純和風、喜楽館はハイカラな神戸らしく、おしゃれなイメージになっていますね。落語家六代桂文枝さん36

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