KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年4月号
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から、通える範囲で阪大に行くことにしました。先輩から「どこの高校から来た?」と聞かれて「甲南です」と答えると、「オーそうか!」と言われて、勉学もスポーツも精神的にも優秀な甲南卒業生たちが活躍しているんだなと誇りに思いました。伝統を引き継ぎ、良いところを伸ばしていってほしい―旧制甲南高校同窓会の幹事長を引き受けられたのは?私はあまり同窓会活動には熱心ではなかったのですが、5年ほど前、体調を崩した友人から引き継ぐことになりました。頼まれたら嫌とは言えない、やるからにはとことんやるという性分でして、甲南歌唱祭でも一番前で旗を振っていたわけです(笑)。―平成29年に同窓会を解散したのはなぜ?先輩は90歳を超えた方も多く、体調を崩されたりして会員数が200人を切る状況でした。なし崩し的に消滅というのではなく、きちんと宣言して終わらせたいと考えました。同窓会として積み立ててきた資金で旧制甲南高等学校記念事業をしようと提案し、一部を給付型奨学金として高校と大学に寄贈しました。記念のモニュメントを残したいと、高校の校庭に銅像を寄贈しました。高等科の生徒が立って大空を指さし、その横で尋常科の生徒が座っている姿です。旧制高等学校というと破れた帽子に下駄ばきのイメージですが、平生先生は「紳士たれ」というお考えでしたから、甲南はちょっと違いました。校内では下駄ばき禁止。銅像も黒革の短靴をはいています。昨年には、私たちが育った現在大学の岡本キャンパスへも旧制甲南高校生の銅像を寄贈しました。―現在の甲南、今後の甲南へ、メッセージをお願いします。大学や高校の同窓会の皆さんから「旧制あってこその甲南」としばしば言われます。中途半端なことはできないな、出来るだけお手伝いをしようと思うようになりました。すべての旧制高等学校が姿を消し、また形を変えてしまいました。そんな中、甲南学園では私たちの伝統を引き継ぎ、良いところを伸ばし100周年という記念の年を迎えました。頼もしく、また嬉しく思っています。良いところをさらに伸ばし、次の時代へと向かっていってください。甲南高等学校・中学校に寄贈された旧制甲南高等学校生の銅像「甲南健児の意気をみよ」45

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