KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年4月号
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す。近くにあるものを正確に観察し、抽象的な思考力を高め、実践に発揮できる能力がグローバル社会で求められています。若者に選ばれるまち神戸のために学生も参画長坂学園創立100周年を記念して「KONANINFINITYCOMMONS」、通称iCommonsを開設しました。「INFINITY」というコミュニケーションワードは、教職員、学生たちのインターネット投票で決定しました。そこから「結節点」のコンセプトができました。8学部の融合であり、世代間の融合、地域の皆さんとの融合、いろいろな想定ができる結節点、違った経験を持った人たちが来て刺激し合い、出て行ってまた戻ってくる、そんな結節点です。久元大学が閉ざされた空間ではなく、外に開かれた存在になっていると感じます。ミディアムサイズだからできることでしょうね。TEDxKOBEにも素晴らしい環境を提供いただき、地元がいろいろな恩恵を受けているのが、今の神戸だと思います。ローカルな行動をもとに、グローバルな視野を広げる久元神戸のまちと同じく、大学も規模の拡大だけを追う時代ではありません。あらゆる面でクオリティーが問われます。レベルの高い教育でグローバル社会でも注目される存在であってほしいと思います。甲南大学から巣立っていく若者たちには神戸に根付いていただくのはもちろん嬉しいのですが、世界に目を向け、広い視野を持って活躍してもらいたいと思います。長坂全く同感です。甲南大学では一つひとつの分野、つまり鉢植え教育ではなく、全体の土壌で教育しようとしています。そのためには最適なミディアムサイズの大学です。土壌教育の一環として全学部の学生に一回は海外での学びを経験させようとしています。久元グローバルに活躍する人間が求められているとはいえ、ローカルに行動するところから素地ができてくるものです。近いものをしっかりと見て、それを踏まえて抽象的思考を培える人間がグローバル社会で生きていける、つまり具体性と抽象性の間を自由に行き来できる人間で甲南大学長長坂 悦敬 (ながさか よしゆき)1983年、大阪大学大学院工学研究科修了後、コマツ生産技術研究所に勤務。1987年~1989年、University of British Columbia客員研究員。1992年、博士<工学>(大阪大学)。1994年、大阪産業大学経営学部。2001年、甲南大学経営学部を経て、現在同教授。2014年8月より学長に就任。2017年より、一般社団法人大学コンソーシアムひょうご神戸理事長を務める33

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