KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年4月号
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カヌーに荷物を詰めて、その夜どこで寝るのか自分で決められる。テントを張ったところが自分の家なんです。ほんとワクワクしますね。荷物は重いし、困難だけど、それを越える魅力、自由があるんです。目の前の湖から水を汲んで、炊事をする。満天の星空、たまにオーロラも出ますから、その下で眠る。山頂を目指す山登りと違って、水平のどこへ行ってもいい、しかもその中へ入り込むことができる。旅の方向も目的もない。もともと標高や難易度に興味のない僕にとってそれがしっくりくる。こんな旅はほかでは味わえないかもしれません。同じところに行っても、行く度に出会う動物も違うし、季節が違えば目につくものも違う。いつも発見があるんです。動物は人間と会いたくないノースウッズにはさまざまな動物が暮らしています。この前はカワウソと会いました。ヒグマはいませんが、クロクマがいます。人間を見たら近寄ってこないですね。マイナス40度の厳冬期。ビーバーの家族が暮らす巣の上に、オーロラが揺らめく25

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