KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年4月号
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満天の星空がくれた夢もともと東京育ちですが、大学に入って、これまで見たこともない世界を見たいという思いがあり、ワンダーフォーゲル部に入部しました。はじめて山登りを体験し、山の中へテントを持って旅をする中で、人のいない場所、自然というものに生で触れてのめり込んでいったんです。そして甲斐駒ヶ岳の山頂付近で満天の星空を眺めた時、生まれて初めて360度のパノラマで天の川を目にして、宇宙を肌で感じ言葉を失ったんです。都市では見えにくい世界があることを知りました。キャンプのシンプルな生活にも惹かれました。蛇口をひねれば水が出てくる暮らしが当たり前じゃないんだなと気づいて、そこから僕たち人間とは何なんだろうという疑問を抱き、人間も自然の一部じゃないかと。ジャーナリストに憧れていたんですが、政治や経済を伝えることも大事だけど、僕がやるべきことは自然を伝えることじゃないかと。それまで一眼レフなんか持ったことがなかったのですが、自然写真家の星野道夫さん、今森光彦さん、岩合光昭さん、中村征夫さんたちの作品に触れて、自分もカメラを持って記録しようと思ったんです。夢が固まった時点で就職活動はしなかったですね。だけど全くカメラの素養がないので、誰か尊敬できる人に弟子入りしたいなと。そんな時、オオカミの夢に導かれ運命的にジム・ブランデンバーグという写真家を知ったん焚き火で暖をとり、星空の下で眠る21

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