KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年3月号
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廣野ゴルフ倶楽部 理事長 鈴木 一誠さん廣野ゴルフ倶楽部 キャプテン森本 泰暢さん廣野ゴルフ倶楽部 名誉会計佐井 裕正さん九鬼隆輝氏鋳谷正輔氏高畑誠一氏木の山奥まで見に行きます。その帰路、廣野新開で今のこの土地の前を通り、「いい場所だなあ」と4人で車を降り、歩いたようです。佐井 旧三田城主の九鬼隆輝子爵の所有地で、持ち主がいる土地を勝手に歩くのですから、そういう長閑な時代だったんですね。鈴木 結局、当初予定していた土地はあまり気に入らず、4人の総意で九鬼子爵に話を持ち掛けます。普段から財界人の午餐会「オリエンタル・クラブ」で顔を合わせる間柄でもあり、「松茸狩りがてら一度見に来てはどうか」と招待されます。小曽根貞松、室谷藤七も加え6人で出かけ、「ここなら良いコースが新しいゴルフ場を造ろう!土地探しが始まる鈴木 昭和の初めごろ、関西財界人は舞子ゴルフ倶楽部(現・垂水ゴルフ倶楽部)、鳴尾ゴルフ倶楽部、どちらかに入っていました。鳴尾は猪名川に移転し、舞子は12ホールしかなく、ゴルフ人口は増えるのに、この現状では飽き足らず、財界人の間で新しいゴルフ場を造ろうという話が持ち上がります。ロンドン帰りでゴルフのことはよく分かっていた鈴木商店の高畑誠一をはじめ神戸の財界人たちが土地探しを始め、昭和5年の春、鋳谷正輔、鈴木岩蔵、伊藤長蔵の4人で、帝国人造絹糸の佐藤法潤氏から紹介された土地を三25

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