KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年2月号
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だなと。そんな大切な時間や空間づくりのお手伝いをしたいと思ったのが今の仕事につながっているかと思います。中学3年の時のアメリカでのホームステイや大学生の時の留学を通して、海外生活やパーティを体験したことも、今の仕事に役に立っているのかな、と思いますね。ただ最初からパーティや空間をプロデュースする仕事を目指していたわけではないんです。デザイン系でもアート系でもない普通の女子大を卒業して、何をしたいのか分からずにOLとして働きながら悶々とした時期もありました。若い時からライフコーディネーターの「マーサ・スチュワート」が好きだったこともあり、OLを辞めてテーブルコーディネーターの丸山洋子先生に師事し、技術を学びました。人が集うパーティでおもてなしするテーブルコーディネートという世界を知り、アドレナリンが噴出しました。自分がやりたい仕事はこれだ!と思い、その想いがテーブル上だけでは納まらないほど大きくなって(笑)、パーティ会場全体の演出も手掛けるようになり、気がつけば今に至るという感じです。…その時々の状況に合わせて、自分のなかのワクワクした気持ちが高まる方向へと進んでおられますね。初めてお会いしたときは、エレガントな神戸女子という見た目で、テーブルコーディネートのお仕事をメインとされていましたね。ヘアスタイルをガラリと変えたのは2年前。ライフスタイルがどんどん変化する中で、デコラティブな装飾やお皿を重ねて飾るコーディネートが、本当に自分らしいスタイルか考える機会がありました。自分を枠に押し込めているような感覚が少しあったんです。そんなときに海外からのゲストをおもてなしする空間で、“飾らないで飾る”ことをリクエストされて、考え方が変わったように思います。極限までそぎ落とすってどういうことだろうと。人にどう見られたいかではなく、自分自身ももっとシンプルにそぎ落とせば、もっと気持ちが楽になれるかも…。そう思うと、肩の力がスッと抜けて無理に自身を飾らなくなりました。…クライアントに自分を理解してもらうためにもスタイ対談ホスト役の三好万記子さん(写真左)と、コイケアカリさん(写真右)。2人が初めて出会ったのは2012年『旧神戸居留地十五番館』が「TOOTH TOOTH maison 15th」として生まれ変わるレセプションパーティで。昨年のTable d'or15周年記念パーティでもアカリさんのダンボールアートが飾られた。28

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