KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年1月号
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してきました(会場笑)。今日は囃はやしかた子方と話はなし方かた両方をやっていますが(会場笑)というようにね、少しでも印象付けられるようなことを話しています。能ってあまり難しく考える必要はないんだと、もっと身近に楽しめばいい、と皆さんに感じていただければ良いなと思いまして活動しています。現在は、東京オリンピックを控えて、インバウンド(訪日外国人)向けの公演をする機会が増えました。先日も東京日本橋にある劇場型レストラン「水すいぎあん戯庵」で公演を行いました。なんとレストランの中に能舞台があります。「ブルーノート」の日本版ですよ(会場笑)。手がけたのは木村英智様というアートアクアリウムをつくられた方です。以前から日本人が能楽を知らないことを何とかしようと能楽の支援団体である衆しゅうわ我財団の井植由佳子様と以前から活動をさせて頂いているのですが、井植様が木村英智様にお話しくださいました。そのことがきっかけで「水戯庵」ができました。井植様のお父様は、甲南学園創立100周年記念事業募金の募金委員長をされています小林豊様です。このような素敵なご縁に恵まれました。まだまだ能楽が存在する可能性は現代でもあると思っています。体験することを大切に催し等において、私が実践しているのが、見て、聞いて、それで安心するのではなく、必ず体験していただくということです。今日はみなさんにさきほど能楽をご覧いただき囃子方も見ていただきました。みなさんは見たり聞いたりして、なんとなく分かったと、勉強できた、と思われているでしょうが、ここでひとつ質問させていただきます。みなさんその場で鼓の持ち方をやってみてください、僕はどっちの手で鼓を持って、どっちの手で打っていましたか? …ね、いざとなったらわからないでしょう。次はぜひみなさんにも体験していただきたいです。打楽器は、人類が初めて手にした楽器だと言われています。2月はインドで、3月はニューヨークで能楽の講座を開きました。参加者全員に実際の鼓を持って頂くのは無理でしたので打つ真似をする、エアー鼓を体大倉さんのユーモアあふれる語り口に会場も和やかに38

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