KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年1月号
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小鼓をすぐに楽しむ子どもたち私は中学から甲南に入学させていただきました。私たちの学年は皆仲の良い、楽しい学年でした。それと上からたくさんの素敵な先輩方が降りてきてくださいました(会場笑)。本当に有意義な学生生活を送らせていただき、今の私があると思っております。中学1年から2年の終わりまで、馬術部に入りました。鼓の革は馬皮でできていますから。なにかご縁があったのでしょうね。僕は今、子ども向けの能楽体験教室を積極的に行っています。1957年生まれで、学生時分は、日本は欧米化まっしぐら。テニスやサッカー、ロックなどが盛んで、能楽なんて、なんだそれ?という感じでした。大学在学中に、甲南学園の学生会館で大学生向けに能楽の催しをやったんです。そうしたらお客さんは2人か3人! さすがにこれはまずい、と危機感を持ちました。卒業してからは、体験教室をやらせていただきたいと、いろいろな小、中学校の先生方に申し上げたところ、「能なんか大人でも難しいのに、子どもには無理です!」と言われたことがありました。そんな先生には「能なんか症」と病名をつけました(会場笑)。根っからの関西人ですからこういう笑いをすぐに取り入れたくなりまして(会場笑)。関西で受けるとホッとします。それで、「能なんか症」みたいな大人にならないように、子どものうちから能楽を楽しんでいただこうと思いました。子どもさんたちは、ピアノは見慣れていますが、小鼓を見せると、これは何ですか、どうやって鳴るんですか、と、びっくりされるんです。そこで、ポンと音を出してみると、すぐに自分たちでも真似をして鳴らそうと、すぐに楽しんでくださいます。子どもさんたちが楽しんでいる姿を見て、先生方は「大人が難しいと思う色眼鏡を子どもに押し付けてはいけないんだ」と、子どもたちにとっては、ミュージカルも能も一緒なんだと、そういうふうに見てくださいまして、道が開けてきました。2002年から学習指導要綱の音楽の時間に、日本の伝統音楽を授業に盛り込む内容が設けられたりしました。教える先生が少ないなど問題はありますが能が教育の現場にも登場しましたので体験を重視した活動をさせていただいています。甲南がつないだ素敵なご縁(大倉さん風呂敷に包まれた小鼓を手にする)。皆さんこれは何ですか?小こづつ包みといいまして小こつづみ鼓とは違います(会場笑)。今日のために私は甲南で勉強甲南大学同窓会 REBORN 61 !「オール甲南の集い」にて囃子について語る37

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