KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年1月号
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ところでもお客様のニーズがある訳ですから、それに対応していかないと競争から取り残されてしまいます。新しい市場にも挑戦していかなければいけないと自分の中で思えたということは、広告代理店勤務時代の仕事の意義は大きかったですね。─創業50年で何か企画はありますか。蟻田50年の歴史の中で、チョコレートはまだ本格的に手を付けていないんですよ。昨年11月にチョコレートの世界選手権「ワールドチョコレートマスターズ2018」があり、弊社のテクニカル・アドバイザーである垣本晃宏がファイナリストになりましたが、50年の記念事業として彼を中心に新しいブランドを創ろうかげさまで昨期は定着率が約85%と過去最高を記録しました。課題はさまざまですが社員のニーズや不満に耳を傾け、駄目な要因を一つひとつ解消していく。それもできることをやるかやらないかだと思うんです。新たなニーズにも挑む─前職は某広告代理店でコンビニスイーツの担当だったそうですが。蟻田たまたまですけれどね。関西ではケーキは百貨店や個人の路面店で買うものという先入観があると思うんです。でも近所のコンビニで自分がパッケージデザインを担当したシュークリームが売り切れていたり、販売スペースが広がっていたりしているのを見て、これから甘い物はこういうところでも売れると感じたんです。そういう経験がなかったら、百貨店のことばかり考えていたと思うんですよね。もちろん百貨店は今後も高級品を売るという意味において本質的な最重要販路、それはまったくぶれることはありません。しかし、ほかのと考えています。主にチョコレートクッキー等を展開することになりそうです。─次の50年に向けて、どのような方向を目指しますか。蟻田販路の広がりとともに、お客様のニーズも細分化されていくでしょう。百貨店やショッピングセンターの洋菓子売場に対して際限ない欲求を持たれているお客様も多いと思うんです。ですから新たにチョコレートのブランドも加わりますし、ブランドを複数展開することでお客様のニーズにお応えしたいですね。また、ブランドの複数展開で、流通先の方にも喜んでいただけるような高級菓子の複合体となり、ワンストップサービスを提供していける会社を目指していきます。オリジナル発酵バターと「アーモンドの女王」マルコナ種の香ばしいフレーバーがおいしさの秘密31

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