KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年12月号
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バンド解散後、純粋に「もっとピアノが上手くなりたい」と思い始め、面識もなかったクラシック界のたくさんのミュージシャンに会いに行き、話を聞き、師匠を見つけ本格的にレッスンを始めました。ジャズはその場で閃いたことを音にし、音楽にします。クラシックは作曲家が残した譜面に弾き方のガイドがあり、それをいかに忠実に、いい意味で機械的に再現するか。音一つ一つの出し方と技法が人間工学を基に綿密に決められ、全てが理にかなっています。同じピアノ演奏でもやっていることが全く違って、とても新鮮でおもしろくて…。―何でもおもしろくしてしまうのですね。「知りたい、やってみたい」という好奇心がすごく強いのだと思います。―今、好奇心が向いているのはどこ?ポップスオーケストラ「ソノダオーケストラ」を立ち上げました。パソコン一台あれば音楽は作れる時代ですから、あえて運営が大変なオーケストラをやろうという人が激減しています。それなら「僕がやってみよう」と始めたら、「おもしろい」と言っていただくミュージシャンも増えてきてステージに呼んでいただく機会も増えてきたところです。―最後に、園田さんにとって神戸の街とは?住んだことはないのですが、中高6年間通い、毎日のように三宮で電車を降り、レコード屋さんに寄ったり、たまには女子高生をナンパしてみたり(笑)、ほとんどの時間を過ごした街です。今でも帰って来るとすごく落ち着きます。育った三木も好きですが、実家に帰って2日ほど過ごしたら、もっと忙しくしたいという気持ちになることもあります。神戸は、ゆったりした三木と人や時代の流れが速すぎる東京との中間、とてもバランスの良い街だと思います。―これからもちょこちょこ神戸に帰って来て演奏してください。楽しみにしています。園田 涼 さん プロフィール1986年兵庫県生まれ。灘中学・灘高等高校を卒業後、東京大学文科Ⅲ類(文学部)に進学。在学中にシンセサイザー・コンテストで全国一位を獲得、藤井フミヤ、ゴスペラーズのバックキーボーディストを務め、本格的にプロ活動を開始。2010年「ソノダバンド」がメジャーデビュー。現在はTBS「Sing!Sing!Sing!」審査員、同局「音楽の日」ハウスバンドピアニスト、高橋洋子×京都市交響楽団による「残酷な天使のテーゼ」オーケストラ編曲、JUNHO(from 2PM)バンドマスター、GACKT×東京フィルハーモニー交響楽団「華麗なるクラシックの夕べ」ピアニスト、フジテレビ「ヨルタモリ」テーマ曲演奏、アーティストへの楽曲提供など、幅広い活動を行っている。また、東大から音楽家という経歴を活かして中高生に向けた講演、読売新聞オンライン「ソノダ涼風ファンタジー」、神戸新聞「随想」他、雑誌での執筆なども行っている BRASSERIE L,OBABONにて41

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