KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年11月号
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(現一橋大学)を卒業後、望まれて県立神戸商業高校の校長になりました。これが平生先生と神戸、また教育との最初の接点だったようです。以来、教育への情熱をずっと秘めつつ東京海上保険で活躍。専務取締役という激務の傍ら、甲南幼稚園、小学校、中学校をつくり、さらには甲南病院を創設、文部大臣にも親任されています。本当に素晴らしい方ですね。―平生先生はたくさんの名言を残されていますが、一番大切にしておられるのは?私は何といっても「正志く、強く、朗らかに」という言葉です。法律で正しいと決められていることをということではなく、自分が正しいと思うことを、パワーを見せつけるような強さではなく、しなやかに粘りのある強さをもって、しかも朗らかに行う。これを心がければ誰もが豊かな人生を送れるのではないでしょうか。しかし、このいつも「朗らかに」が、実に難しい(笑)。誰しも苦しいときは顔つきがきつくなりがちですからね。ミディアムサイズだからこそできる全体教育―「ミディアムサイズの総合大学」とはどういう意味でしょうか。100周年を迎えるにあたって、本学の特色を改めて整理してみたところ、伝統がある、国際都市神戸にある、阪神間に多くの社長を輩出しているなど、いろいろ挙がりました。規模について考えてみると、例えば関西の大手私大には3万人以上の学生数がいます。大きいということは素晴らしく、さらに拡張も可能でしょう。一方、甲南大学は学生数約9千、いわゆる中規模大学です。東でいえば学習院大学と同じ規模ですが、文、法、経済、経営、理工など8学部あり、人文科学、社会科学、自然科学の3分野をカバーし、3分野とも博士課程まである大学院も有する総合大学です。この特色をシンプルに表現した言葉が「ミディアムサイズの総合大学」です。中規模でこのような総合大学は西日本では他にありません。この特色をメッセージとして分かりやすく発信していきたいと思います。サイズを膨らませるのではなく、クオリティーを上げていく「ミディアムサイズの総合大学」だからこそできる全体教育、各学部に任せきりの「鉢植え」教育ではない、大学全体での「土壌」教育を目指そうとしています。―「KONANプレミア・プロジェクト」が成果を挙げ、高い評価を受けていますね。大学においても、ビジョンを掲げ、共有することが大事です。甲南大学開校当初の正門49

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