KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年11月号
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…小川さんの歌声を初めて聞いた時は、お世辞抜きに心から感動しました。私のか細い声を大にして、ぜひ聞きに行くべき!と皆にお勧めしたいほど。ソロ活動に加えて、西日本で最も歴史のあるオペラ団体の「関西歌劇団」でも活躍され、また、童謡や唱歌といった懐かしいメロディーなど古き良き日本の心を歌い継いでいこうと、関西歌劇団のメンバーが集まって昨年結成されたヴォーカルアンサンブル「ノスタルジア」での活躍も大変注目されていますが、そもそも音楽の世界を目指されたきっかけは?昔から歌うことが好きな子供でした。幼稚園の頃から自然とビブラートをかけることができ、それが面白くて大声で歌っていました。姉がソプラノで主旋律を歌うと、私が副旋律を考えて二重唱を歌うというコトを遊び感覚でしていました。幼少期に父から映画音楽やクラッシックを聴かせてもらい、またヤマハ音楽教室に通っていたこともあり、いつのまにか “耳力”を鍛えられていました。楽譜を読む力よりも、たくさんの音楽を耳から“体験”して、音楽の表情やニュアンスを聴きわける耳の力を養いました。“耳力”は音楽にだけではなく、語学力やコミュニケーション能力にも大切だと感じています。断片的な情報があふれている今の時代ですが、時間と共に流れるその場の空気や生の音に直に触れて体感する、その体験をすることで、人の心、感情も大きく動き、育まれるように思います。…確かに簡単に検索して知識として得た情報はすぐ忘れてしまいますが、リアルに“体験”した情報や、そのときの感情はいつまでも記憶に残りますよね。小・中・高と通っていた神戸海星女子学院は、生徒にいろいろな体験の機会を与えて下さいました。礼拝やミサの時などに皆の前で歌う機会を何度か頂き、神聖な時間に自分の声が役に立っていることが嬉しかったことを覚えています。また、芸術鑑賞会での素晴らしい歌とその歌詞に感動したこともあり、進路を決める際、私は音楽を学び、音楽と共に生きていきたいと思い、神戸女学院大学音楽学部へ入学。声楽を専攻し、プロを目指して本格的に学びました。大学卒業後の選択肢にファッション業界への道は全くなかったのですが、姉が「Chesty」を立ち上げ39

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