KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年11月号
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食べ物で人を笑顔にすることの楽しさを感じ取って育った…髙山さんがこの世界を目指されたきっかけから教えてください。私は福岡の田舎で生まれました。祖母が何でも手作りする人で、川でスッポンを採ったり、畑でトマトや大豆を作ったり。採取した大豆から納豆や味噌も作ってご近所におすそわけしていました。配り役は私です。皆さん、とっても喜んでくださって。素材そのものの美味しさや、食べもので人を笑顔にすることの楽しさを感じ取って育ったのでしょう。父も左官業で料理界とは無縁でしたが、趣味で鯉を釣っては味噌で煮込んで鯉こくを作ったり、思い返せば、料理好きな一家でしたね。福岡でビストロを営んでいた伯父のアドバイスもあり、18歳の時にフランス料理の世界に入りました。まずは東京・京橋にある名店、井上旭シェフの「シェ・イノ」で約8年間、基本技術を身に「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」(世界大会)で魚料理特別賞を受賞した。旬の野菜と酢飯をミルクレープ風に仕立てた。日本人の美意識とフランス料理を融合させた19

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