KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年10月号
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高いワインを飲み、スポーツカーに乗り、自分の思い通りに過ごした私は初めて、一番大事なのは名誉やお金ではなくて、誰かの役に立って「ありがとう」と言ってもらえることだと知りました。自分には大した才能もないことが分かった今、これからの人生をそれだけにしぼってやり直そうと決めました。「私の強み『法人向けの営業』×『インターネット』で何かできないか?」。いろいろな人と話すうち、オンラインでホームページ制作やアプリ開発がマッチングするビジネスモデルが今、アメリカで立ち上がっていると聞き、「やったことのある仕事ばかりだからどんなトラブルが起きても乗り越え方が分かる!」。そして、2011年11月、2回目の起業で現在の会社「株式会社クラウドワークス」を立ち上げました。出資をお願いし、自分も車を売り、自宅を引き払い、預金の中から2500万円を投じ、一日も休まず働き、一日千円で暮らし、2年半が過ぎたころ、たくさんの人たちが応援してくれるようになりました。その中の一人に言われたのが、「1回目の起業の時、お前はいつも一発当ててやろうとしているのが遠くから見てもよく分かった。今回の本気度はよく分かったから応援したくなった」。独りぼっちだった私が、たくさんの人に囲まれている全てを投げうって、人の役に立てることだけをやろうと決めて3年たった時、独りぼっちだった私はスタッフとたくさんのクラウドワークスユーザーさんに囲まれていました。役員の退社はゼロ、正社員の退社は1年に一人、法務・労務のトラブルゼロ。そして2014年4月には東証マザーズに上場しました。5回の鐘は、役員ではなく、子育てママやリタイアしたご夫婦などユーザーさんに叩いていただきました。リタイアしてから独学でアプリ開発をされているユーザーさんから「私は余生を送るつもりでした。でも余生のほうが、光が当たって楽しいです」と言っていただき、「ここまでやってきて良かった」と思いました。現在のスタッフと共に。社員数はグループ全体で280名を超え、法務・労務のトラブルもない47

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