KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年10月号
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…はじけるような色合いのお花やシャンデリア。ビビットで豊かな色彩からはエネルギッシュな情熱と、ホッとするような温かさや癒しも感じられ、観ているだけで前向きな気持ちになれますね。まずは中北さんの作品に込められる思いを教えてください。私は絵のなかに、世の中に存在する秩序と無秩序、といった相反する要素の重なりを捉えています。私たち人間はさまざまな世の中の秩序にとらわれ、まっすぐに生きたくても、生きていけません。その一方で世の中には計算や意図がない自然の美しさや強さ、はかなさをもつものも存在します。人間は、何事へもとらわれない純粋な美しさへの憧れがあります。純粋に真っすぐに生きている花、人間の感情を客観視しているシャンデリアをモチーフとして人間の感情を移入し、作品を描いています。…柔らかな明るい色彩と、何かしら意思をもっているかのように見える緊張感のある形が、絶妙なバランスで絵の中に存在していますね。絵画でありながら、立体的な表現が心に迫ってきます。舞い散る花びらをモチーフにした作品は、油絵の具に砂を練りこんで、立体感を出しています。さらに、金箔や銀箔を用いることで、画面へのメリハリを生かしています。作家さんによっては最初に構図や描くものを決めて制作される方もいらっしゃいますが、私の場合、頭の中に完成イメージを残しておいて、心の中からあふれ出す感情を色彩でキャンバスに表現し描き進めていきます。…制作途中の作品は、どのように筆が加えられて完成するのか。想像するだけでワクワクしますね。六本木ヒルズ森ビルや、多様な空間をもつ表参道・青山エリアにある新生堂ギャラリーなど、引く手数多ですね。芸術に目のこえた第一人者のファンが多い中北さんにはご自身の個展のほかにも、次々と依頼が舞い込み、てんてこまいにはならないのですか。いくつもの作品を同時進行で描いていきます。ひとつの作品に集中すると、集中し過ぎて客観視出来ないからです。あえて他の作品に意識をもっていき、戻って見てみると、違うものが見えてくる。新たな気づきがあり、また違った描き方ができるんです。19

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