KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年9月号
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ご噺家の必須アイテム手拭いと扇子桂 福丸(かつら ふくまる)1978年神戸市生まれ。灘中、灘高を経て京都大学法学部へ進学し、卒業後に英語落語を学びアメリカで公演をおこなう。2007年に4代目桂福團治に入門。現在は古典落語を中心に創作落語も演じ、高座・メディアで幅広く活躍。文化庁芸術祭賞・大衆演芸部門新人賞や花形演芸大賞銀賞を受賞するなど、上方落語界の注目株 「芸は人なり」という言葉がありますが、演者の人生やキャラクターが噺にも反映されます。演者の見た目だけでなく、声の質も重要で、所作も人それぞれ。同じ話でも演者が変わると全く違う話のように感じるでしょう。 ですから噺家と聞き手の相性も重要で、ビッグネームより若い噺家の方が面白く感じることもあるかもしれません。自分に合う噺家との出会いも、寄席の大きな楽しみです。 噺家は舞台装置のないところで、セリフと所作、そして扇子と手ぬぐいというたった2つの道具でいろいろな情景を見せてくれます。その映像を描いているのはお客様の頭の中なんですね。だから実はお客さんが「参加」しているんですよ。 道具の使い方も見どころのポイントです。例えば刀。扇子は30センチもありませんが、それを前にかざして目線を下から上に上げて剣先を見るようにしてちょっと視線を落とすことで長い刀に見せます。 人は話を聴くときに相手の目を見ますので、目の動きや表情も非常に重要、まばたきのタイミングひとつで場面の緊張感を演出することができます。ちょっとしたことなんですが、かなり空気が変わるんですよ。 演者は想像力を喚起させるような言葉と仕草で、想像の手助けをしているだけで、本当に描いているのはお客様なんですね。ですからやはり、落語は生で観るべきなんです。喜楽館は噺家と客席の距離感が近く、目線も仕草もよくわかります。神戸に久々にできた演芸場ですし、交通の便も良いですから、ぜひ喜楽館で落語を味わってください!豪快に、そして繊細に 噺家たちの仕草にも注目41

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