KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年8月号
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いうのが日本の常識でした。もちろん保証期間は設定しますが、それを過ぎるとサービス&サポートは保守契約の形態を取っています。これが大きな収益源になります。 しかし、今まで無料だったものにお金を払ってくださいと言っても、お客さんは誰も納得してくれません。自ずとお金を頂くに見合うサービスにレベルを上げなくてはいけません。そのためにシスメックスは、お客さんの装置と当社をネットワークでつなぎ、オンラインで様々な支援を行う充実したサービスを提供しています。文化のないところにサイエンスは生まれない高井 最近はオーダーメイド医療や遺伝子治療が言われ、医療の形も変わってきましたが、影響はありますか。家次 2003年にゲノムが読まれたのを機に、時代は大きく変わりました。一人ひとりが違うということが分かり、あまねく医療から個別化医療、精密医療へと移行し始めました。例えば、臓器別に分類されていたがんは、DNAに変異が起きることによって発生するのですから、どういうがんなのかを見極めて効く薬を使わなくてはいけません。検査結果を基に医師が病名を判断し、治療が終わって効果が出てきているかを検査して判断するというものから、治療の一環として、どの薬が効くのかを判断するものへと検査の役目も変わってきました。 ゲノムが読まれて15年がたち、ようやくがんゲノム医療が始まりました。手術で採取した体の組織を解析する段階から一歩進んで、今は血液中のDNAのかけらを解析しようという研究を進めています。高井 技術者の皆さんも、科学の進歩について行くのは大変ですね。家次 昔は機器を製造するテクノロジーが主でしたが、現在は高井 美紀(たかい みき)毎日放送アナウンサー神戸市出身。神戸女学院大学文学部英文学科卒業。1年目で夕方のニュース番組『MBSなう』を担当。その後『VOICE』のニュースキャスターを20年以上務め、関西の夕方の顔となった。入社以来、報道からバラエティーまで幅広く担当。現在はテレビ番組の「住人十色」「医のココロ」「ザ・リーダー」「皇室アルバム」ラジオ「子守康範 朝からてんコモリ!」「日本一明るい経済電波新聞」を担当2008年に開設された研究開発拠点「テクノパーク」39

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