KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年8月号
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ですが、だんだんストライクゾーンが広くなってきて、「マエストロの船に乗る」という感じですか。今、何がきても大丈夫というふうになってきました。 先月、母親の他界がありましたけど、母ががんばっていた頃は、自分ももっと音楽をがんばっていた、みたいな感じでした。その母が逝ったんだなと思うと、自分の中で、なんとなくじんわりと、ここから始まっていくんだなと感じました。横尾 お母様は亡くなっていません。すぐそこにいらっしゃいますよ。肉体はなくても心だけの世界だから、玉置さんが心で思えば、その瞬間通じています。ところで、指揮者によって、歌い方も変わります?玉置 変わりますね。横尾 同じ曲でもちがうんですか?玉置 ちがいますね。だんだん年を重ねるごとに、クラシックも4年目ですが、同じ曲でも初めよりだいぶ伝え方が変わってきています。より届くようになって、より人の中に入っていくようになってきている気がします。横尾 クラシック専門の指揮者とオーケストラでしょう? 古典的な技術をそのまま使っているのかな、新しい技術を取り入れたりしているんでしょうか。玉置 どっちでしょうかね。僕はオーケストラの中に入っているだけなんですが。あとは、オーケストラや指揮者の方の感想もなるべく聞かないようにしてまして、終わるとハヤテのごとく消えていくんです(笑)。そうすると、次会うときも新鮮ですしね。良い緊張感の中でやれればと思っています。横尾 本当に本番勝負なんですね。玉置 お客様が入ってからの、ですね。お客様も関係あります。お客様も入って、みんなで作っているという感じです。25

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