KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年8月号
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玉置さんはドラキュラ―ポスターをご覧になったご感想は。玉置 横尾先生には、2年前にもポスターを描いていただいたのですが、また先生とお仕事ができて、ああ、歌っていて良かったなと思いました。横尾 今回、玉置さんの写真や資料をもらったとたんに、すぐにビジュアルが浮かんできました。天地を逆に2人の玉置さんを置いて、非常にこう、マジカルな感じでと。玉置さんの中に、そういう要素があると思うので、そういう要素を描きだした。あとは前にも一回やっていますからその延長上にね。一回、二回は連携して、もし次があるとすればガラッと変えて、観客を裏切るようなものにしようとか。玉置 先生の中に流れがあるんですね。見た瞬間、ハッという驚きがありました。あとは嬉しさと。僕がマントを着たドラキュラみたいなポーズだったので、先生がそれに乗ってくれたのかな、とすごく嬉しかったです。横尾 玉置さんはドラキュラだと思うんですよね、ファンの血を吸っちゃうんだからさ(笑)。それで、唇を赤くしたの。玉置 指輪を“ゴールド”にしてくださって。横尾 ファンも、玉置さんに血を吸われて喜んでるんですよね(笑)。マエストロの船に乗る―玉置さんは、「THE GOLD RENAISSANCE」がスタートしましたが、6月の関西公演を終えられて、いかがでしたか。玉置 母が5月に他界したんです。ずっと去年から病と闘ってはいたのですけど、そういうようなことがひとつの作品にもなったかと思います。悲しいというより、歌ってて良かったなと、また聴かせてあげたかったな、というのがあるんですよ。逆に、なんていうか、歌の力に、自分でも考えてもいなかった力が、ワーッと来ました。 僕は今年ちょうど60なんですけど、このビルボード・クラシックスに出会ってなかったら、いろいろなことがスムーズに進んでいなかった気がして、今とてもおもしろいです。いろいろなマエストロとやると、曲は同じでも全然ちがうんです。 安全地帯の頃の歌も、オーケストラと歌うとまた全然ちがって、良いものができることもあります。以前は、こうあるべきじゃないか、というのがあったの22

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