KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年8月号
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(PHD協会)、自然保護活動(日本熊森協会)、障害のある子どもの療育活動(ひょうご子どもと家庭福祉財団)、白血病患者を救済する活動(兵庫さい帯血バンク)、障がい者が普通に暮らせる社会づくりの啓発活動(クルーズ)、英国シンクタンクから「世界一幸せな国」に選ばれたバヌアツ共和国との子ども・若者間の文化交流活動(バヌアツ・ナバンガピキニニ友好協会)など、多くの支援活動を続けている。 米谷さんは終戦直後の混乱期に6年も一中・神高生活を送り、その後神戸大学経済学部を卒業、神戸銀行に入行してロンドン支店次長、ニューヨーク支店長、さくら銀行常務、京阪神興業社長などを歴任されたが、若い頃に興味深い話がある。 神戸銀行ニューヨーク支店開設で赴任中の1963年、ソニーの社長、井いぶかまさる深大氏(一中28回生)が現地の一中同窓会に出席し、米谷さんが車でホテルまで送った。それが縁で後日、米谷さんがニューヨーク支店長の時に再会、井深氏より障がいのある子どもの療育や、幼時教育に熱心に情熱を注いでいる話を聞き、米谷さんは大いに感激したそうだ。1993年に神戸高校100周年記念事業の企画委員長として米谷さんは研修会館の建設にも奮闘したが、その時に尽力した井深大氏の胸像が今も在校生に微笑みかけている。 ちなみにロサンゼルスを拠点に日米で反戦・反核を訴え続けている画家にして芥川賞作家の米谷ふみ子さんは、米谷さんのお姉さんだ。彼女は二科展で「関西女流美術賞」を受賞するなど、将来を嘱望される画家であった。しかし、脳障害を持った次男ケンが絵の具を舐めたりするので、画家活動が困難になり、文筆活動に転じたのだと、弟の米谷さんが語ってくれた。 人々のうちに大愛をもって使命に立つ方々を記したが、人間の輝きにうたれる時、涙がこぼれ頭が下がる。〔東野洋子さんのLove&Heart活動については http://loveandheart.net/ をご覧下さい〕※東野洋子著『あなたに見せたい美しいもの』、神戸高校同窓会誌、ウイキペディア「米谷ふみ子」、ディスカバー・ニッケイなどを参考にしました。米谷 ふみ子(こめたに ふみこ)作家・画家1930年、大阪府生まれ。1957年、油絵を二科展出品。1960年に渡米。アメリカ人画家と結婚。その後、自閉症の次男の子育てと画家活動が両立困難になったことから文筆活動に転じ、1986年『過越しの祭』で芥川賞受賞。米谷 収(こめたに おさむ)1957年、神戸大学経済学部卒業・神戸銀行入行。太陽神戸銀行ニューヨーク支店長・さくら銀行常務、京阪神興業㈱代表取締役社長等を歴任。国際ロータリー第2680地区ガバナー(1999年-2000年)、NPO法人兵庫さい帯血バンク顧問等、多くの支援活動を続けている。東野 洋子(ひがしの ようこ)画家・詩人・舞台芸術家1953年、神戸市生まれ。画家として描いた優しく包み込むように空間を彩る作品は、病院のロビーや介護施設などで人々を和ませている。1982年、楽団あぶあぶあを結成し、長年社会活動を展開。2017年、癌のため逝去した。25
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