KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年8月号
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大愛をもって使命に立つ東野洋子さん 米こめたに谷収さん 米こめたに谷ふみ子さん 東野洋子さんの絵は光にあふれている。誰が見ても元気が出て、笑顔になる不思議な絵だ。52才で癌を患い64才で亡くなるまで“人々の幸せと平和”を願って描き続けた。絵に添えられた文章は、自然やいのち、人々への慈しみにあふれている。 彼女は1953年神戸生まれ。神戸大学教育学部卒業後は学校カウンセリングの草分けとして長年尽力、発達心理学などの講師も務めつつダウン症など知的障害のある若者たちと「皆で楽しい人生を作ろう」と“楽団あぶあぶあ”を、その後“ミュージカルチームLOVE”を結成。創作音楽のコンサートを30年以上続け国内外での公演は200回を超えた。ボランティアを受ける側のメンバーが人々に喜びと感動を与えるというすばらしい活動で兵庫県社会賞などの賞を多く授与されている。 彼女の死から1年経つが、彼女の絵が大きくプリントされた壁面から「生きるうれしさ」を感じてもらい、その収益で障がい者の音楽活動を支援する試みなど、作品を人々の心を癒し平安の心を育てることに役立てようとする活動が一部の医療センターなどで始まっている。 東野さんの活動をずっと支援してきたのは、神戸高校のシニアクラブの代表で私共もお世話になっている米谷収さん(神戸一中52回生、神戸高校4回生)だ。彼は草の根の国際交流活動連載 神戸秘話 ⑲瀬戸本 淳(せともと じゅん)株式会社瀬戸本淳建築研究室 代表取締役1947年、神戸生まれ。一級建築士・APECアーキテクト。神戸大学工学部建築学科卒業後、1977年に瀬戸本淳建築研究室を開設。以来、住まいを中心に、世良美術館・月光園鴻朧館など、様々な建築を手がけている。神戸市建築文化賞、兵庫県さわやか街づくり賞、神戸市文化活動功労賞、兵庫県まちづくり功労表彰、姫路市都市景観賞、西宮市都市景観賞、国土交通大臣表彰などを受賞文・瀬戸本 淳 (建築家)24

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