KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年5月号
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が冷たいお医者さんではだめですね。手術が思うようにいかな2022年4月完成予定の甲南病院くて、「病気が悪かった」と言うのは心ないことだと思います。医療の提供は決して会社経営そのものではありません。一般の会社でいう「いい商品」が、病院では責任感と心のある「いい医療」です。医者にとっては大きなストレスですが、それを引き受ける覚悟があるかということです。私がたくさんの高難度の手術を仲間と一緒にやってきて思うのは、自身の心と体が健康であればこそ、この大きな責任を背負うことができるということです。心技一体の最高の医療がここにあるという病院にしようと思っています。これが、創設者、平生釟三郎さんの理念を現代に引き継ぐ基本コンセプトだと考えています。―創設時の理念は継承していくのですね。 もちろんです。しかし、平生さんの創設当時の言葉をそのまま今にもって来ても、当時から先進的な考えをもっておられた平生さんに決して喜んではもらえないでしょう。今の時代、そして新しい時代に即してどのように展開していくかによって、理念が実を結ぶものと思っています。55

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