KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年4月号
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■御菓子司 常盤堂神戸市東灘区御影中町4-8-22TEL.078-851-46779:00〜18:30定休日 日曜日山手幹線石屋川●東灘警察署香雪美術館●至JR住吉駅国道2号線阪急御影駅御菓子司 常盤堂御影の暮らしを語る御菓子司 常盤堂御影の“お茶会”をなごやかに彩った銘菓の数々 かつて、御影界隈に住まう名士たちの邸宅では、たびたび国内外の財界人・文化人たちを招いたお茶席が設けられていた。そんなお茶席をなごやかに彩る、季節の菓子をおさめていたのが、今も御影に本店を構える「常盤堂」。伊藤博文ゆかりの料亭「神戸常盤花壇」の和菓子部門として、慶応4年(1868)に創業した。有栖川宮家御用達をはじめ、多くの名家のひいきを受け、三菱・川崎両造船所の進水式の御菓子を担当するなどして発展。5代目店主となる岩﨑典治さんは「百貨店の外商の方がね、昭和はじめの頃、お正月に御影のお宅を回られた際、『御影を回ったら世界を回ったようなものですね』なんておっしゃっていましたよ。私の父もお菓子をお納めにいろいろなお屋敷にうかがいましたが、みなさん気軽に世間話をしてくださって、そこで社会情勢を学んだと申していました」と話す。お茶席で愛された常盤堂の繊細な和菓子の味は、戦後、全国菓子博覧会で数々の賞を受けるなど、高い評価を得てきた。 創業当時から愛されている代表銘菓『雪月花』は、白楽天の詩になぞらえ、雪・月・花をかたどった手焼きの皮に、備中大納言あずきをはさんだ上品なもなか。その他、ようかん、煎餅、季節の生菓子など、素材を厳選した手作りの銘菓が揃っている。雪月花になぞらえた三色のもなか「御影雪月花」は、創業以来、愛され続ける銘菓4月の生菓子は桜を連想させる色あい神戸マイスター・岩﨑典治さん 40

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