KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年4月号
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織部の魂、時を超え「市中の山居」をテーマにした美術館の目玉は、館内の茶室「中之島玄庵」だ。村山龍平は藪内家から特別に許され、藪内家の茶室「燕えんなん庵」の忠実な写しである茶室「玄げんなん庵」を御影の自邸に建てたが、さらに「玄庵」を忠実に再現したのが「中之島玄庵」だ。茶室研究の第一人者、中村昌生氏が監修し、中柱の曲がりや竹材の節まで、よくぞここまで見つけたものだと感心するほど部材を吟味。それを21世紀の匠たちが、「玄庵」の実測図面をもとに組み上げた。もはやコピーのコピーではなく、忠実の累乗とも言うべき仕事だ。屋内ゆえ苔や草木を植えることは叶わずも、路地や空間はCGなどを用いて可能な限り再現している。また、正面の土壁が外れるようになっており、内部がよく見えるようになっている。「燕庵」はもともと古田織部藪内流宗家 14代藪内允猶斎竹卿紹智(やぶのうちいいんさいちくけいじょうち)さん「中之島玄庵」茶室開きにて33

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