KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年4月号
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「御影」と「中之島」、2つの美の殿堂 香雪美術館村山龍平が収集した美術品のコレクションは美術的にはもちろん、学術的にも価値が高い。これは、村山自身が、数々の名品を後世に残すことを使命として収集したからだ。そして、戦後、御影の村山邸に美術館を創設して広く公開するようになった。それが村山の雅号から名を戴いた香雪美術館だ。そしてこの3月21日、大阪に中之島香雪美術館がオープン。新たな一歩を歩み出した。香雪美術館と旧村山邸 村山龍平は日本や東洋の美術品の海外流出を危惧し、私財を投じて名品を収集し守ったが、現在それらを所蔵・展示しているのが香雪美術館だ。 重要文化財19点、重要美術品23点をはじめその収蔵品はジャンルが広いだけでなく、いずれも貴重なもので、毎年春と秋にコレクション展を開催、それぞれのテーマに基づき公開している。また、企画展も年に数回開催。村山とゆかりの深い刀工、月山貞一の没後100年となる今年は、御影の香雪美術館で4月21日(土)~6月17日(日)に「明治の刀工 月山貞一と村山龍平」(仮)を開催予定だ。野々村仁清「色絵忍草文茶碗」(江戸時代、17世紀)美濃「志野茶碗 銘 朝日影」(桃山時代、17世紀)原羊遊斎「菊蒔絵大棗」(江戸時代、文化14・1817年)28

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