KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年1月号
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10年後の神戸を語る2018年→2028年創造都市としての構造転換を 私が神戸で創業してから既に30年の歳月が経過しました。この間神戸は様々な変化と発展、もちろん衰退も経験してきたと感じます。 その中で最も残念なことは、神戸はそのイメージとは程遠く、創造的産業の発展が著しく遅れていることです。マクロデータを見ても、創造的な産業、例えばデザインや企画、映像や横山 剛(よこやま たけし)SRCグループ 会長KissFMKOBE 代表取締役社長神戸大学大学院 経営学研究科 博士課程後期IT等の産業において神戸市は近隣の他都市に比べて優位性があるとは言い難く、その結果、域内でそれらの需要を消化できず、それが他都市に流れることで神戸経済全体にも影響が出ています。またそれが人口減少のひとつの原因にもなっていると考えられます。 今現在も神戸経済の根幹を担う歴史ある産業は大切にしなければなりませんが、経済発展に伴ってそれらの産業も含めて創造的なサービス産業へ構造的に変化せざるを得ないことは資本主義経済における普遍的な変化です。無理してそれらに抗うことは即ち街全体の衰退を意味します。 言うまでもなく街の存在目的は、そこで暮らす人々の福利を高めていくことです。そのためには、自然な変化に積極的に対応して街の経済構造を転換し発展させていくことが最も有効な手段です。 そろばんを何個並べてもコンピューターにはならないように進化や発展は不連続で起こります。過去の連続に縛られない創造的な視点で変化への道筋を創っていくこと。それが10年後に目を見張る程の発展を遂げるための最も有効な処方箋だと私は考えています。30

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