KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年1月号
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10年後の神戸を語る2018年→2028年世界的なプレミアム温泉地をめざして! 地域の活性化を目指す中で、観光や通勤などその地を訪問する人口を指す「交流人口」と、地元に住む人を指す「定住人口」ということが言われており、定住人口が一人減ると、外国人観光客なら12人、日本人なら25人の宿泊客を増やさなくてはならないというセオリーがあります。有馬温泉は極端なバランスで、交流人口がほとんどで金井 啓修(かない ひろのぶ)有馬温泉 陶泉御所坊 十五代目一般社団法人有馬温泉観光協会 会長定住人口が少ない。 インバウンドでいうともっと欧米からのお客様も増やして、世界的な温泉リゾート地にしたいというのが、10年後の有馬の夢。世界的にプレミアムな温泉地を目指します。有馬の魅力は、温泉、歴史、アクセス(都市近郊)、食の4つが挙げられます。歴史をどう伝えるかを考えると、有馬に続く古代の道である湯山街道を、周辺の行政などと組んで日本遺産への登録を目指したい。温泉でいうと、貴重な泉源の地域を保護区にするなどして、温泉の安定供給を進め、こちらは世界遺産を目指したいと思います。 一方、それら観光地としての車輪が回り出すと、今度は日常生活に必要な食品店や理髪店など地域の商売がおろそかになり、地元の方が住みにくくなってしまう。そこで、『交流人口が増えることによって、定住者の生活の質を向上させること』を目標とした仕組みづくりに取り組んでいます。有馬小学校は現在児童数が大変減少していますが、生活の質の向上によって児童が増えることも、10年後やさらに未来の人材を育成する上で重要だと考えます。29

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