KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年1月号
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10年後の神戸を語る2018年→2028年この美しい街とともに、人生の時を刻む 謹賀新年 明けましておめでとうございます。 2017年の神戸は開港150周年を記念するさまざまな催しが街を彩り、賑やかな一年となりました。これからも益々の発展が期待されます。 さて“10年後の神戸を語る”ということで、一商人にすぎない私が神戸を思う時、ターニングポイントとなるのはやはり震災が上根 亨(かみね とおる)株式会社 カミネ代表取締役社長起こった時のことでしょうか。 当時私は、瓦礫まみれの神戸の街に少しでも早くきれいな店を作りたかった。特別なことはできなくても、美しいものを見せることが社会的使命だと思ったからです。震災から20年以上が過ぎましたが、穏やかな海と山麓に囲まれるこの麗しい街並みが本来の姿を取り戻すのは容たやす易いことではありませんでした。10年後の神戸は、そんな震災を知らない世代が台頭されることと思いますが、今あるたくさんの財産に敬意を表し、大切にしてほしいなと思います。 私の手元には、いくつか大切な時計があります。それぞれは様々なシーンに寄り添い、時を運び、その向こう側にはいつも神戸の街があります。この美しい街とともに人生の時を刻むことはとても幸せなことで、きっと神戸には、同じようにこの街を愛する人が沢山いると思います。 そんな原則的な感情を共有できていれば、いろんな感性が交わっても容認できる。街を愛し、人を愛し、心にふれる仕事をするシンプルな繋がりが、10年後も美しくもっと磨かれた神戸―幸せ文化の濃い街をつくっていくと信じています。28

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