KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2018年1月号
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10年後の神戸を語る2018年→2028年ITネィティブが活躍する時代に IT革命が進めば、近い将来には人間が現在就いている職業の約半分がコンピュータやロボットに取って代わられるという話をよく耳にします。また、2045年と言われていたシンギュラリティ(人工頭脳が人間の頭脳を追い越す瞬間)の到来も、2029年と前倒しの予測がなされています。 教育の現場でもICT化の和田 孫博(わだ まごひろ)灘中学校・高等学校 校長波が押し寄せ、チョークと黒板に代わるものとしてタブレットと電子黒板が普及しつつあります。教科書も10年後には紙ベースからデジタルコンテンツへと変わっているでしょう。私たちの世代の教職員は戦々恐々としているのが実情です。 しかし、今の青少年はいわゆるITネィティブ、生まれた時からパソコンやデジタルコンテンツに囲まれて育っています。ITネィティブたちは、小さな頃から慣れ親しんだコンピュータやロボットに振りまわされるのではなく、上手に使いこなしていくに違いありません。少子化で人間の労働力の先細りは避けて通れませんが、重労働や単純労働はAIを搭載したロボットが肩代わりし、人間はその開発や管理を、また人的な繋がりが必須の分野を担当することで、人間とロボットが共存共栄する社会が実現するのもそう遠い未来ではないと思います。 神戸の強みである海外との交易や物流、医療イノベーション、そして観光などの分野も、ITネィティブたちが活躍できる環境を整備すれば、さらに一層発展していくものと期待してやみません。26

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