KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年12月号
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り完全オーダーメイドで、フィット感は言うまでもないが、スタイルや素材なども自由にチョイスOK。アッパーはイタリアで仕入れたものが多く、牛革のほかバッファロー、クロコダイル、アザラシ、ゾウ、ウナギまで動物園の如く揃っている。 仕事は採寸からはじまり、まずは木型を製作する。足の形は左右で違うという。木型の仕上がりは靴の仕上がりに直結するので、薄皮を剥ぐような繊細さで足の曲線を再現していく。 次に取りかかるのはフィッティング用の靴。とは言え本革で製作し、そのまま履けそうなクオリティ。試着して履き心地を確かめ、必要なところは修正していく。「スリッポンのタイプはぴったり合わせないといけないので、2~3度この作業が必要なんですよ」と久内さんは言うが、そこまでするのかと呆れるほど実直な仕事ぶりだ。 そしてようやく商品作りに取りかかる。もちろんすべて手作業で、しかも細かい。繊細なステッチは息を呑むほどだ。しかし革はチクチク縫える代物では靴づくりの前に木型を作るエレガンスかつシャープなデザインすべての工程を手作業で丁寧に行う54

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