KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年12月号
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 靴の本場と言えばイタリアだろう。何せ国の形自体がブーツだ。中でもフィレンツェは世界屈指の伝統と技術を誇り、フェラガモの発祥の地でもある。 大学生の時にイタリアの靴に魅せられた久内さんは、神戸のものづくり職人大学でパターンやミシンなどの基礎を身につけ、その後単身フィレンツェへ。世界的靴職人のロベルト・ウゴリーニ氏の門を叩いた。手仕事を大切にする街の空気を吸い込みつつ、3年以上の星霜をかけ技と魂を吸収。名声に奢ることない師を心より敬愛し、しかとその薫陶を受けた。 再び神戸へ戻った久内さんはしばらく和田岬の共同工房で靴づくりに勤しんだ後、昨年夏に自らのブランド「イルクアドリフォリオ」を展開。手がけるのはすべてビスポークシューズ、つま靴をあしらったドアノブは遊び心がある53

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