KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年12月号
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です。3個と6個用の専用箱を用意しており、きっちりとケーキが収まり動いたり崩れたりしません。ふたを開けたときの感動が〝見て味わう〟和の心に通じるものです。また、和菓子を思わせるような焼き菓子のギフトセットも好評です。クリスマスケーキ「雪灯り」も斬新なデザインの世界で、かなり高価格の商品ですが既にたくさんのご予約を頂いています。―四季を追って次々と開発するのは大変ですね。 大変ですが、それが楽しいんです。洋菓子の消費需要が高くない夏のオープンとなりました。当初は「四季折々に商品が入れ替わる洋菓子などできるはずがない」などと言われましたが、今では大きな話題になり、業界でも注目され日々評価が高まっています。それだけの技術を持っている私たちだからできることなのです。洋菓子業界に一石を投じることができているのなら嬉しいことだと思っています。―今後、販売エリアを広げていく予定ですか。 「HIBIKA」は販売開始までにじっくり時間をかけてきましたので、今後も焦らずゆっくりと育てていきたいと思っています。「ヴィタメール」も準備に時間をかけ、販売開始後も阪神梅田本店だけで10年、その間にも社員を次々にベルギーへと送り、勉強をさせました。―満を持して出店となれば、やはりまず東京ですか。 私にとっては、「HIBIKA」を新開発することで社員の意識が一段と高まったことが何よりも嬉しいことです。技術者が不足している状況下で、これだけの技術を持った洋菓子屋さんは関東にもないと自信を持って言えます。既に東京の老舗百貨店様にも興味を持って頂いていますが、私たちが納得いくスペースを確保して、納得いく販売方法を取れる条件を提示頂けるのであれば出店をしようと考えています。―今後は集大成としての「HIBIKA」に集中していくのですね。 もちろんです。一方、現在、本社工場4階に所蔵している約5千点にのぼるヨーロッパ伝統の道具や器具、資料、書物などを全て寄贈し、洋菓子発祥の地・神戸にミュージアムを造り、人材育成のための学校を併設する。そして、その道具を使い〝神戸のこのお店〟にしかないお菓子を作って販売する。もう一つの、私の洋菓子人生集大成の仕事を必ずやり遂げたいと考え、既に準備を始めています。―私たちも楽しみにしています。ぜひよろしくお願いいたします。42

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