KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年11月号
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■絢爛亭神戸市中央区北野町4-8-3TEL:078-221-1022は押し詰まってから作っていましたので、その頃には桐の箱の準備や伝票整理などにかかりっきりで、残念ながら一緒には作っていないんです。―一昨年の暮れが一緒にお節を作った最後だったのですね。 いつもと同じように母は大好きなおせちやたくさんのご馳走を作って年末を過ごし、お正月は家族やお友達と一緒に過ごすつもりでいました。けれど年が明け、元旦、母は突然、本当に突然に亡くなりました。1月2日に親しい人だけが集まりました。母は自分のお通夜を自分の料理で振る舞いました。母はさいごまで料理人でした。―お節づくりは再開できそうですか。 お客様からは「他でおせちを頼んでみたけれど、全然違った。ぜひ再開してほしい」という声をたくさん頂きます。どこまで母のおせちに近付けるのかは分かりませんが少しずつ始めてみようと思っています。幸い、材料は市場や業者さんに電話を入れると母が使っていたものが届きます。多分、納得のいくものを選ぶために母は自分の足で出向き、喧嘩して嫌われて(笑)、失敗もしながら苦労を重ねてきたのだと思います。―これからもずっと? 「年末はゆっくりできる。海外にでも行ってお正月を過ごそう」などと思っても、元旦が母の命日ですから、そういうわけにもいかず、おせちづくりを頑張るしかないですね(笑)。きっと母も見守ってくれると思います。●●トアロード北野坂ハンター坂JR三ノ宮ローソン北野ガーデン異人館通北野通●北野ホテル絢爛亭31

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