KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年9月号
40/51
公益財団法人神戸都市問題研究所理事長六甲山大学名誉学長新野 幸次郎さん神戸開港150年を迎えた神戸。港町として繁栄したことと、六甲山の地形は深くかかわっている。神戸大学学長を務め、その後、公益財団法人神戸都市問題研究所理事長を務める新野幸次郎さんに、「都市山・六甲山」の価値についてお話を伺った。新野 幸次郎(にいの こうじろう)大正14年、鳥取県生まれ。昭和24年に神戸経済大学経済学科を卒業し、同大学神戸経済大学文官教官、助手となる。昭和38年、神戸大学経済学部教授に就任。同大学広報委員会委員長、経済学部部長等を経て、昭和60年に同大学学長・医療技術短期大学部学長に就任。平成3年、神戸大学名誉教授。現在、(財)神戸都市問題研究所理事長、(財)ひょうご経済研究所理事などを務める標高931メートルの都市資源・六甲山30年に一度の土砂災害―新野さんが、都市資源としての六甲山の価値を研究しようと思われたのはなぜでしょうか。 神戸都市問題研究所には、1991年に着任しました。事務所は貿易センタービルの非常に眺めの良い場所にあります。背後に六甲山、そして目の前にその六甲山のおかげで世界的な良港となった神戸港を毎日目にしています。そんな場所で1995(平成7)年、阪神・淡路大震災が起きました。復興の過程で、私は当時の貝原兵庫県知事に「都市再生戦略策定懇話会」の座長を仰せつかったり、作家の故・陳舜臣さんや故・今井鎮雄さんらとともに「兵庫創生研究会」を立ち上げるなどの活動を行いましたが、街の復興とはまた別に、六甲山の災害や問題についてを考えなくてはいけない、と強く感じるようになりました。 一方で私は六甲山のふもとの神戸大学に1946年に入40
元のページ