KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年9月号
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夜の街並みは大人の雰囲気に寧に暮らすことを尊重していますね。また、本社勤務時代、札幌から博多までの店舗を回り感じたのは、神戸の地域愛に勝るものはない。―今年1月、店長として戻って来られたのですが、やはり嬉しかったですか。冨士 仕事で神戸に戻ることは二度とないと思っていましたので、まずびっくり。恐らく私にとっては大丸での最後の仕事。「ここで燃え尽きてもいい」という覚悟です。会社から「必要ない」と言われなければですが(笑)。お客さまの人生全てのターニングポントに寄り添う―店長としてどういったビジョンをお持ちですか。冨士 「東洋一の美しい百貨店として、神戸から始まるライフストーリーを紡ぎ続ける」。決してグローバルな百貨店を目指すわけではなく、東洋にあることに誇りを持ち、ここに1軒だけある百貨店を目指します。「美しい」とは環境はもちろん、サービスや働く者の姿勢が美しくなくてはならないということです。神戸にはいくつもの「ファーストワン」がありますが、今後も神戸から始まるライフストーリーを発信し続けなくてはいけません。神戸のお客さまの人生全てのターニングポイントに寄り添い続ける百貨店でありたいという思いです。―美しいサービスとは。冨士 新快速が止まらないJR元町駅、最寄りの東口にはエスカレーターがなく階段を下り、雨が降ったら傘が必要、決して便利とはいえない条件にもかかわらずお客さまにはわざわざ大丸神戸店へと足を運んでいただいています。それを改めて認識するところから始めようとしています。「いらっしゃいませ」だけでいいのか?サイズを切らしていたら「申し訳ございません」だけでいいのか?心遣いのあるサービス、つまり美しいサービスとは何かに気づけるのではないかと考えています。地域の玄関口として、愛され集客できる百貨店に―これからも地域と共に発展を目指すのですね。冨士 百貨店が独自に頑張る時代ではありません。旧居留地、元町商店街はもちろん、三宮地区、メリケンパーク、ハーバーランドなど地元地域との話し合いが大切です。それぞれの地域で頑張っている人たちの熱い33
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